イメージ力が自我には大事 経験とイメージが心の幅を広げる

いま国会では、子どもたちの学力低下を心配し、
いろいろな政策を立てようとしていますね。

たしかに、勉強も大事だとは思うのですが、
学力低下の原因は、学習時間の不足などでは
なく、イメージ力(想像力)不足にあるのでは
ないか、と思います。 ※補足です     

どんな勉強でも、
公式(基本)の上にイメージ力(応用力)が
働いて、はじめて成果が表れます。

逆に云えば、どんなに基本をマスターして
いても、イメージ力(展開する力)が無ければ、
何の役にも立ちませんからね。

せっかく基本を覚えても、イメージ力が働かないと・・・

今回のテーマは、そんなイメージ力の話です。


ではどうして、そんなイメージ力不足に
なってしまったのでしょう?

答えは簡単です。

それは、
別に想像力を働かせなくても、生きて行かれる
世の中になってしまったからです。

現代社会は受け身で、子どもは求めなくても、
親や社会が勝手に何でも与えてくれます。

それはありがた迷惑なぐらい
「これは、こうです」
「そう思うでしょ?それでいいんです」
と、答えだけを押し付けて、
「じゃあ、その先はどうなるんだろ?」
というイメージを展開させるような教育が、
まだまだ不足しているように思えます。

遊び道具にしてもゲームなどは、あらかじめ
プログラムされたものを動かすだけですから、
考えることはあっても、そこに想像をかき
立てるようなものがあまり感じられません。

現代はイメージ力のいらない社会

それではイメージ力は育たないし、あったと
しても枯れてしてしまうのは当然ですよね。

本当なら思春期前ぐらいの時期は・・・
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たとえば、私の子どもの頃の楽しみと云えば、
友だちと遊ぶ事。そして本とラジオでした。

もちろん友だちと遊ぶと云っても、いまの
ようにテレビゲームも無い時代でしたし、
遊び道具も簡単には買えない時代でしたから、
いま考えてみると、イメージすることが
主体でした。

「これは、ナニナニのつもり」とか、
「これは、こういうルールにしよう」とか、
どんな遊びにしても、自分たちで考え、
作り出すことで楽しんでいたように思います。

そして夜になると、本を読んだり、ラジオ
ドラマを聴きながら、登場人物の顔や姿を
想像しながらストーリーを楽しんでいました。

しかしいまにして思えば、そうした経験が
イメージ力の鍛錬になっていて、いまの私の
私生活や仕事での思考活動に役立っている
ように思います。

とは云っても、大した思考力ではありませんが。(^^:(汗笑)
けどしかし、心を病んでしまったときも、
あまり行き詰らずに済んだのも、そうした
子ども時代のお陰だろうと実感しています。

 

そして私は、そんな経験を踏まえながら、
毎日、クライアントさんたちと話をさせて
頂いているのですが、

悩みや苦しみを持つ人の特徴として、
イメージ力の低迷を感じずにはいられません。

それは、イメージ力が無いと云うよりは、
自分の中の狭い部分から、それ以上、外へ
イメージが広がっていかない・・・
だから思い込んだ事だけで、それがすべて
のようになって苦しくなってしまう・・・
と云う印象ですね。

もちろん、悩んでいるときは、誰だって、
視野が狭くなって、イメージどころの話では
ないのも重々承知しています。(^^:

しかし、
そもそもいろいろな展開が思い浮かぶ
イメージ力がしっかりあれば、たとえ
迷いはしても、悩み込むほどにはならずに
済んだかもしれないのです。

もちろんあるいは、
そこには無意識にある何かが邪魔をして、
「他の事を想像させてくれない」
「ポジティブに考えさせてくれない」
と云う問題の可能性も否定は出来ませんが・・


いずれにしても、
そうしたイメージ力の低迷が、悩みや苦しみ、
そして心を病ませるのだとしたら、

どれほどイメージする力が、
私たちにとって大切なものか、という逆説
にもなるのではないでしょうか。

なぜなら・・・
イメージ力とは『いまここ』ではない未来を
あるいは『いまここ』には無いものを
想像(創造)する力のことですから、

もしそれが、私たち=自我に不足している
としたら、前章までに書いた、
努力だの辛抱だの・・なんて、
未来に希望が持てないのに、そんな頑張り
なんて無理な話ですよね。(^^:

つまり、どんなことにしても、
このイメージする力は、私たちに無限の力
を与えてくれる大切なものなのです。

※それは第一章の
心って、どこにあるの?』に書いた
心の眼=イメージする力です。

だから、是が非でも自我には、この
イメージする力を高めて欲しいわけです。

でも、ちょっと待って・・・
続きを読む。(^^:

 

ではいったいイメージ力を養うには、
何をどうすれば良いのか? ですよね。

ここではきっぱり、
「ものづくり」をお勧めします。

たとえば、
いままで既成品で間に合わせてきた、
ちょっとした衣服や、ちょっとした家具など、
手作りしてみるのは、どうでしょう?

あるいは、
絵が好きなら部屋に飾る絵画などに、
挑戦してみるのも良いかも知れませんね。  

細かな作業に取り組めば、
そこにイメージと知恵が生まれます。

それに、
完成していく喜びや自信とともに、
良いイメージがたくさん湧き出てきます

実はこの良いイメージが持てることが
とても大事なのです。(^-^)


でも
「自分は、どうもものづくりには向かない」
という方もいらっしゃると思います。

そういう場合には、
ガーデニングや、小説を書いてみる、
なんてどうでしょう。

土をいじりながら、これから咲く花をイメージ
しながら自分なりの庭をつくってみたり、

小説と云っても簡単なストーリで良いのです。
主人公や登場人物に心を持たせ、さまざまな
物語をつくりだしてみる。

あるいはパソコンソフトなどでも、
いまはシュミレーションものがありますよね。

箱庭のようなスペースに建物や鉄道を走らせて
街をつくったり、自分なりの家を建て、
壁紙やインテリアをイメージしてみるのも
良いと思います。


どんなものづくりでも、はじめはイメージ
に行き詰まったりするかも知れませんが、
それこそ納期(期日)があるわけではありま
せんから、暇な時間だけでも構いません。
完全にやめてしまわなければ、仮に一週間、
一ヶ月休んだとしても、
「あれは、こんなふうにしたらイイかも」
と云うイメージ活動は心のどこかで
続いていますからね。

※ただしガーデニングを選んだ方は、
水やりだけはお忘れなく。(^^:(笑)


いずれにしても、
そうしたイメージづくりには、
日常を離れた自分だけの世界があり、
それだけでも自我を休ませ元気にさせる
要素があるので、仕事や勉強に疲れた
心を癒すにはもってこいだと思います。

そして良いイメージが広がるようになれば、
悩みを持ちやすかった心も、
邪魔する無意識の何かにも、
負けない力が出せるようになるはずです。

  

自我、弱体化の時代(2)意識的に待てる気持ちを育てることも大事です
人間、みんな病気です  第四部 中休みコラム

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