最大の敵は自分自身 自我の逆襲 プロローグ

精神分析学は、無意識を知る学問ではなく、
自我を知る為のもの。
自我を良く知る為の無意識の研究なのだ・・
と、このようなことを云ったのは、
フロイドの娘であり、彼の後継者的存在である
アンナ・フロイド(1895~1982)です。

心の主役は自我。自我が元気であることが大事

1920年にフロイド自身が自我の研究論文を
発表して以降、学会全体の流れも変わり、
精神分析学も自我(意識)の研究が盛んに
行われるようになったのです。

まあ、いくら無意識を重視するとは云っても、
臨床現場で直面するのは意識(自我)ですから、
この自我研究への流れも自然なもの、
と云えばそうですよね。

1920年以降、精神分析学も自我の研究が盛んになりました

もちろん、
無意識が精神分析学の中心になることは、
動かざる事実で、彼女もそのことは充分尊重
したうえでの(冒頭の)発言なのですが、
この言葉の中に
「心の主役はあくまでも自我なんだ」
という主張があるような気がします。

※ちなみに彼女、アンナ・フロイドは、父フロイド
の学説(防衛機制)を体系化したことで高名となり、
その後、児童心理学(児童精神分析)の第一人者とし
活躍しました。

そこで、
アンナさんの言葉に便乗しまして、
第四部のテーマは自我の逆襲。 
つまり、自我が主役です。

もっとも、
精神分析学の主役が無意識であろうと、
意識であろうと、実際そんなことは
「どっちでもいい」と云うのが、
極楽とんぼの偽わらざる気持ちです。

『人生は戦いである』と云うけれど、
本当の敵は、隣人でも社会でもなく
自分自身にある・・・

心は単純ではなく、
自分自身の中にたくさんの戦いを持っていて
その戦いに勝つことこそが大事なんだ
と云うことを精神分析学から知って頂ければ、

意識・無意識、どっちの学問でも
構わないんじゃないかと思うのです。

なぜって、
その敵に勝つことさえできれば、
精神分析の目的である神経症や心の病にも
勝利できるわけですからね。     


なぜ自我なのかは、
いままで読んで頂いた記事で
すでにお分かりかと思います。

私たち人間は、他の動物とは異なった知的な
精神を持つことになり、棲む環境もまた、
さまざまなことを高度に要求される複雑な
社会です。

そうなるとやはり、
心の主体(主役)は、あくまでも意識。

社会に適応できる自我になってもらい、
頑張ってもらわなければ困るわけです。     
自我が元気(健全)であれば、
心の中の統制もとりやすく、
円滑な社会生活はもちろん、
無意識が望む欲求も叶いやすくなり、
自分らしい人生の獲得も夢では
ありませんからね。(^.^)

心の主役は、やっぱり自我です

と云うことで、これからの章で、

どうすれば自我が健全なる主役になれるのか、

どうすれば自我が強くなり、
自分との闘いに勝つことができるのか、

などの、自我について、を考えてみましょう。
いよいよ、自我反撃の始まりです。(^▽^)/

最大の敵は自分自身。すると自我の敵は?(謎笑)

 





第三部のまとめ
自我、弱体化の時代(1) 意識的にやり抜くことが大事です

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