無意識は、闇の支配者? 本当の心と呼べるものは無意識にあり

さて、前章では無意識の中身を見てきました。
自分自身でも知ることができない無意識には、
動物として生きようとする本能エネルギーや、
無理やり意識から消してしまった気持ち・・
抑圧されたものなど・・が詰まっていて、
私たちを動かしているのでした。

そして、この章のタイトルが

無意識は闇の支配者・・・

なんとなく嫌な予感がしますが、
ではなぜ、無意識が闇の支配者なのでしょう?


結論から云いますと、
私たちの本当の気持ち、ホンネは
無意識にあって、私たちは、そうした見えない
無意識のホンネによって動かされているのです。
(動いている、のではなく動かされている)

なので闇の支配者としたわけです。


どうしてホンネが無意識にある、
と云えるのか・・・の補足を読む※


んんっ?でも、ちょっと待って・・・
私たちには思考や意思の意識があって、
それを心として活動しているのではないの?

という疑問が当然出てくると思います。

つまり
私たちは常に「こうしよう」という意思を持って
行動しているはずなのに・・・
ですよね?


はい。
たしかに人間は「こうしよう」という意思で
動くことのできる動物です。

しかし、「ああしよう」「こうしよう」と考える
ためには、「こうしたい」という欲求がある
ことが前提です。

変な話、
「遊びたい」という気持ち(欲求)がなければ、
「遊ぼう」とは思わないですからね。(^^: 


じゃあ、その欲求はどこから出てくるの?
という云う話になるわけですが、その答えは
前章にも書きました、私たちを行動させる
無意識のエネルギー。

つまり、
欲求は無意識の中から出てくるもので、
意識は無意識から出された要求に対して、
「じゃあ、そうしょう」や、「それはダメ」と
決定しているだけ、なのです。

そして、そうやって考えて行くと、
私たちが「ああしよう」「こうすべき」と
考えたり、意思決定したりできるのも、
もともと
無意識の中に、そうしたホンネ(やりたいこと)
があるからこそ
と云う話になりますよね。


これは繰り返しになりますが、
無意識の「こうしたい」という気持ちがあるから

「それは今マズイからやめておこう」とか
「よし、やろう!」
と意識が考えたり決定したりできるわけで、、

またまた変な話、
仮に無意識の中に何も無ければ、
意識は決定はおろか、何かを考えたりすること
さえ出来ないのです。

そうなると、やはり心の主体は無意識であって、
しかもホンネを持つ無意識が私たちの本当の心
と呼ぶにふさわしいのではないかと思われる
わけです。


※実は上記のこと以外でも、
私たちのそうした思考のエネルギーさえも、
無意識から発せられているのです。(^^:
このへんのことはこの先、第三部で詳しく
書きたいと思います。


もし分かりづらければ、

思い・感じるのが無意識、

考えるのが意識。

あるいは、

ホンネの無意識、

タテマエの意識

とでも覚えておいてください。

この意味は、先を読み進めて頂くうちに
お分かり頂けると思います。


※思い感じるのが無意識?
それも何かピンとこないなぁ。
という場合には、こちら
『 無意識は何でも知っている』※
をどうぞ。(^^)


そしてこの章の後半は、上記のことを踏まえて
私たちの行動のほとんどは無意識的である
という話を書いてみたいと思います。 



右手右足が一緒に・・・
たしかに「あるある」ですよね。(^^:

これなんかは無意識的の典型例なのですが、
しかしそれでも、、

私たちはふだん、「ああだ」「こうだ」と
考えながら「すべて自分で承知してやっている」
と思っていますから、
行動のほとんどが無意識的なんですよ~
なんて云われても、すぐにピンとこないでしょう
し、あまり認めたくない話ですよね。


それでは、
意識は無意識の行動に対して承認するか却下
するかを決めているだけの例え話をもう少し。(^.^)

たとえば、食事のとき。
私たちは、よほど意識してない限り、意外と
無造作に食べ物を選んでは口に運んでますよね。

まず、そうしたときが無意識的な行動です。

そのとき意識は無意識の監視係になるわけです
が、よほどのことが無い限り、その行動を黙って
見ています。

しかし、何か思うところがある場合には、
意識的に『ダメだし』をすることもあります。

つまり、
(ここで初めて)『自分の意思で動いた』
と云う意識的が発動されるわけです。


私のベタな例え話より、
こうした漫画のほうが解りやすいかもですね。
(汗笑)

ともあれ、こんなふうに、
考えもなく「なんとなく」行動したとき
無意識的というわけです。

改めて日常を思い浮かべてみると、
そうした無意識的がたくさんあると思いますよ。
(^^)

 

無意識と意識の関係と意識の役割り

では最後、補足的に、
無意識と意識の関係と、意識の役割について
を、もう少し書いておきたいと思います。

先ほども書きましたが、
基本的に意識は容認主義で、無意識がやっている
ことに、あまり口出しはしません。

なぜって無意識のすることは、できることなら
黙って全部「やらせてあげたい」ことだから
です。

え? それは容認主義というより、
単なる甘やかしだろう、ですか?
まあ・・そうですね。(^^;)

このことはまだお話していませんでしたが、
意識の仕事(役割り)は無意識を助けること。

つまり、
無意識の中にある本能や抑圧されたエネルギー
欲求を、なんとか人間社会の中で満たして
あげることが仕事なのです。


ただし、(ここで、ただしがつきます^^;)

無意識というのは、本能欲求や、抑圧エネルギー
の固まりで、ホンネだけで動こうとする性質を
持っています。

他の動物社会であれば、それでもじゅうぶんに
生きて行かれるのですが、ご存じのように人間
社会には決まり事や、ややこしい話がたくさん
あって(笑)、とても動物的な本能やホンネだけ
では生き残れない構造になっています。

そんな社会の中で無意識の欲求を満たしていこう
と云うのですから、意識の仕事も、決して楽では
ありません。

つまり意識の仕事は、
動物的に動く無意識を、人間社会で通用する
ように監視・コントロールすること。
無意識の保護者役が意識、と覚えておいて
ください。

もちろん、コントロールするとは云っても、
あくまでも補佐役で、無意識の行動が主体である
ことに変わりはありません。



まあ、理想的な形としては、
無意識が心の中心(主体)で、意識が主導・・・
なのですが、それこそ人間なかなか思うよう
にはいかない。

思うこと(無意識)と考えること(意識)が、
なかなか一致できない。

だからストレスも溜まるわけですが、
このことは第二部以降の話で、
もっとご理解頂けると思います。(^_^;)



とても長い章になってしまいました。汗

しかも、あれっ?
出だしのインパクトが強かったせいかタイトルの、
闇の支配者は、こへ行ってしまったの?
って感じですね。(^^:

たしかに無意識は『闇の支配者』であることは
間違いないようですが、ヤンチャ坊主とか、
保護者が必要とか、なんだか拍子抜けするほど、
カワイイ感じですよね。>無意識(^^:

しかし無意識を甘く見てはいけません。(^^:
いつもそんなに、おとなしく保護者に従うとは
限りませんし、ときには物凄く暴れ、悪さも
して意識を困らせます。
    
でもその話は、第二部でのお楽しみ、
と云うことで。(^^:(^^)



 【極楽とんぼのつぶや記】 
  ~この章のまとめ~

ちょっとこの章は、いろんなことが書かれ
過ぎて・・と云うか書き過ぎて、
分かりづらかったかも知れませんね。(滝汗)

少しまとめておきたいと思います。


無意識には本能的エネルギーや、抑圧された
エネルギーなどが詰まっていて、
それが私たちが本当にしたいことの、
本心(ホンネ)。

つまり本当の心は無意識にあるわけです。

なので役割としては、
無意識で思って、意識が考える。

そして(それから)行動に移すのが理想ですが、
残念ながら私たちの行動のほとんどは
無意識的だったりするので、
なかなか足並みが揃わないジレンマがあります。

まあ、それも人間っぽさと云えば、云えなくも
ないですが。。(苦笑)



そんな意識と無意識の関係ですが、それでも
「どーしても、わからない(~_~;)」
という場合には、下の絵で覚えてみてください。

奥の手、秘密兵器です。(^o^:なら初めから出せ?(汗笑)


意識は、よほどのことが無い限り、
無意識の行動に任せます。

「右」と云えば右、「左」と云えば左へ。

ただし、
「危険だ」「無謀だ」と意識が判断した場合には、
『違う方向へ曲げたり』『ブレーキをかけたり』
することもあります。

ただ、その判断が遅くて間に合わなかったり、
意識の決定に無意識が猛然と抗議し喧嘩になったり
・・・と、いろいろあったりもしますが、
この話も、また追々に。
   

さてさて、次章では、
そんな無意識に会える場所へ
みなさまをご案内させて頂きたいと思います。
どうぞお楽しみに♪(^^)

 

無意識ポケットの中身(2)
無意識に会える場所(1)

 

このページは『無意識を知ろう♪極楽とんぼの精
神分析学入門』をスマートフォン対応に再編集し
たものです。※文章はスマートフォン向けに編集
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