無意識は、
何でも吸い込んでしまうブラックホール※、
何でも取り出せてしまうドラえもんの
ポケットのようである・・・
この数行だけでも、
かなり神秘的な感じがしますよね。
![壁紙村のギャラリー様](img/53-m.gif)
しかも、なんたって、
ブラックホールと、ドラえもんですから
最強です。(汗笑)
しかし、いったい何が入っているのでしょうか。
気になりますよね。(^^:
それではこれから、ご一緒に、
無意識の中を覗いてみたいと思います。
と、その前に。(^^:
よく無意識というだけに、
「意識が無いってことでしょ?」
「中身が何も無いんでしょ?」
「意味も無いんじゃない?」
と思われがちですが、
実は、無意識という精神活動は、
私たちが思っている以上に活発で、
中身も意識以上に詰まっています。
ただ、その活動を自分自身でも
意識でき無いから無意識。
![](img/53-4.gif)
つまり、無意識の無は、
意識がナイ、中身がナイ、
意味がナイ(汗笑)という無ではなく、
意識されない(できない)
と云う意味での無である
この事を、まず理解しておいてください。
まあ、意識がナイに関しては、
仮に無意識の中で意識という活動が行われても、
それが自分自身には届かない、
という意味なら正解かもしれません。^^ゞ
![](img/53-5.gif)
ではいったい、どんな活動が行われ、
どんなものが無意識には詰まっている
のでしょうか。
まず、無意識の活動と中身の代表格として、
本能的な欲求があります。
このことは、第二部で詳しく書きますが、
人間の心の始まりは無意識で、産まれた直後の
心には無意識しかありません。
そして私たち人間も動物という生き物ですから、
生きようとする力である本能が必要なわけで、
その本能のある場所が無意識です。
![](img/19-10.gif)
そして、この章のサブタイトルでもある
『抑圧された意識』の話になるわけですが、
無意識には、その抑圧されたものが
詰まっている、と云われています。
![](img/53-11.gif)
抑圧(よくあつ)とは、辞書を引くと、
無理やり抑えつけること。
これだけでも、あまり良い感じはしませんが、
精神分析学の場合も、
無理やり意識から消してしまった意識
と云う意味があり、
そうした意識が無意識の中身
と云うことになります。
![](img/19-11.gif)
無理やり消してしまった意識・・・?
何か意味ありげ、ですよね。
でも普通に考えても、
意識から消してしまいたいものと云えば、
自分に都合の悪いことですよね。
これはヤバイから、
「無かったことにしよう(^-^;」と。(笑)
![](img/14-19.gif)
しかし精神分析学的に云う抑圧も
まさにそれが正解で、
抑圧とは意識してしまうとマズイので、
無かったことにして無視してしまうこと
なのです。
ですから無意識のポケットの中には、
そういったもの・・・たとえば、
心に抱いたけど表面に出せなかった怒りや、
恨みの感情、あるいは、思ってはいけないと
心が判断した欲望、そして、あえて抑えて
おいたほうが良いと思われる欲望(性欲)
などの無視しておきたいものが詰まっている、
と云われています。
![](img/53-1.gif)
もちろん、意識されているもの以外すべてが対象
ですから、上記したもの以外にも、いろいろなも
のが詰まっていることになります。
でも、しかし、、ここからが大事なところです。
そうしたものを無意識に押し込めてしまった
理由は、さきほどの自分に都合が悪いからでも
正解なのですが、
それはあくまでも、解消できない怒りや憎しみ
を残してしまうと、自分の身に不都合がある、
という(無意識の)判断であって、
間違っても、俗世間で云う、
「体裁が悪い」などの表面的な都合の悪さ
ではありません。
そしてもちろん無意識的に行われることですから、
![](img/53-2-m.gif)
決して「これはヤバイから・・・」と、
自分の意思での出し入れ自由ではない
ところも抑圧の特殊性です。
ですからたとえば、とてもクヤシイ思いをした。
でも、それが抑圧されたかどうか、
あるいは、抑圧されるのかどうか、
も自分自身にはわかりません。
しかも、仮に抑圧が実行されたとしても、
そのときのどんな感情が抑圧されたのか
も、自分自身にはわかりません。
この場合の「わからない」と云うのは、
仮にクヤシイ、悲しいなどの感情が起こっても、
この抑圧が実行されると、
そうした感情がおさまった後、何も記憶に
残らなくなるか、残ったとしても
「何がそんなにクヤシカッタのかなぁ・・?」
と、たいしたことではなかったように
(意識が)感じてしまうのです。
つまり無意識は、自分の心でありながら、
自分の自由になるどころか、その中で何が
起こっているのかさえ、知ることもできない
のです。
ですから、たとえば、
![](img/53-7-m1.gif)
こんなふうに叱られて
表面(意識)では父親を恨んでも
抑圧したのは
助けてくれなかった母親に対する
怒りの感情という可能性もあるわけです。
【抑圧する理由】
ではなぜ、無意識は
自分に都合の悪いことを、抑圧するのか?
の疑問が残りますよね。
それは先ほども少し触れましたが、
その理由は、自分を守るため、です。
たとえば
憎く思う相手に殺意を持ってしまった。。。
そうした気持ちを、もし意識へ置いたままに
してしまったら、いつまでも恨みや憎しみを
感じ続けることになり、そんな心の不安定さ
から心を病んでしまうこともあるからです。
第一、
そんな物騒な気持ちを持ち続けていたら、
人間って、何をしてしまうか分からない
ですよね。(^^:
なので無意識は、そうした感情をサッサと
心の奥底へ片付けて自分を守ろうとする
わけです。
![](img/53-6.gif)
そう考えると、無意識も、
無闇ヤタラに抑圧をしているわけでは、
なさそうですね。(^-^;
しかし、だからと云って、これですべてが
「めでたし、めでたし」ではありません。
抑圧したからと云って、その感情が心の中から
すべてきれいに消え去ったわけではありません。
ちゃんと無意識の奥底に残っています。
ですから、抑圧してしまったばかりに、
心に歪みをつくり、非行化したり、体調を
崩してしまうこともあるわけです。
![](img/53-7.gif)
それになにより、
あとあと(後年になって)かえって自分を苦しめ
るお荷物になってしまうことにも・・・
と、この話は後ほど・・(^^:
つまり、
抑圧も自分を守るためでありながら、
万能ではない、と云うことなのです。
ちなみに精神分析学では、
自分の意思で感情を抑えることを抑制。
無意識の中で自動的に
感情が処理された場合を抑圧と呼び、
この2つの違いをハッキリ区別しています。
![](img/53-3.gif)
この抑圧は、とても大切な部分ですので、
別の章でも詳しく書きたいと思います。
【極楽とんぼのつぶや記】
~補足として~
そして、無意識が抑圧するもののの中には、
強いショックを受けたときの驚きや、
悲しみなどの感情なども含まれています。
たとえば、突然の悲しい出来事や、
事件や事故に巻き込まれた時など、がそうです。
![](img/10-16.gif)
心は、その強いショックによって精神が壊れない
ように、記憶を無意識に抑圧してしまうわけ
ですが、そのために心的な後遺症を残してしまう
場合があります。
ご存知のように、そうした後遺症は、
心的外傷後ストレス障害(PTSD)と呼ばれ、
繰り返し悪夢などを見たり、記憶障害などを
起こしてしまったり、生きづらさなどの慢性的
なうつを招いたりします。
あるいは、虐待やイジメを受けた人が、こんど
は反対に子どもへの虐待加害者になってしまう
などで、いま社会的な問題にもなっていますね。
![](img/10-16-2.gif)
そうしたことだけを見ても、無意識(抑圧)と
いうものが、どれほど私たちの生活に大きな
影響を与えているか、ということが、
お分かり頂けるかと思います。
![](img/10-16-3.gif)
![無意識って、どこにあるの?](img/chbut1_bkr17.gif)
![無意識ポケットの中身(2)](img/chbut1_nxr5.gif)
神分析学入門』をスマートフォン対応に再編集し
たものです。※文章はスマートフォン向けに編集
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あるかもしれません。また画像を多用しておりま
すが、サイズがスマートフォン画面では見づらい
場合があるかもしれません。ご了承ください。