性格形成(5)潜伏期



口唇期、肛門期、そして男根期と、何かと多忙だった
性のエネルギー活動も、小学へ入学し卒業するまでの
6年間ほどは休止状態になります。

もちろんそれは、性活動が途絶えてしまったわけでは
なく「いったん(どこかに)隠れてしまった」ような
状態になるので、この時期を潜伏期と云います。

いったいどこに隠れてしまったのでしょうね?(汗笑)

しかし、この休止状態にもちゃんと理由があり、
人間の場合、生殖の始まる(生殖能力が備わる)時期
が、他の動物に比べて遅い(少し先に持ち越される)
からなのです。

5~6才で妊娠・出産では早すぎますからね。(^^:

ならば、性エネルギーの使い道もないことだし、
「6年間は寝て暮らしてイイのか?」
と云うとそうではなく、(汗笑)

人間はとても忙しい動物で、この期間に
『人間が人間らしく生きる為の学習』
をしなければなりません。

それは何かと云いますと、やさしさや思いやりなどの
情緒であったり、社会生活には欠かすことのできない
道徳などの文化的素養です。

もちろん、この幼い時期の短期間に、そのすべてが
身に付くわけではありませんが、その基礎固めをする
時期と考えてください。

この時期をどのように過ごしたか、あるいは、どの
ような人に出会ったかで、先々の生き方(人生観)も
変わってくると云っても過言ではないと思います。

でもなぜ、この時期がそうした学習に適しているのか
と云いますと、自我の成長が著しくなる事と、男根期
に目覚めた超自我がスタンバイ状態になっている事が
あげられると思います。

つまり、心が伸び盛りで、しかも、もの凄い吸収力で、
心に肉付けをして行くわけです。

しかも、この時期は、性のエネルギーが使い道がなく、
『貸し出し可能』な状態ですから、それを拝借できる
ので、それをバンバン使って様々なことを吸収させよう
という神様のたくらみです。(^.^)

と云うのはコジツケで、(汗笑)
もちろん使われるのは性のエネルギーですが・・・

実は、この性のエネルギーも
第一部(心の詳細図(1))で述べました、
(人間が持つすべてのエネルギー)のことを
精神分析学ではリビドー
(あるいはリビドーエネルギー)と呼びます。
と、何ら変わらない同じエネルギーなのです。

つまり、男根期まで多くを性活動に注ぎ込まれていた
リビドーエネルギーを、この(性活動の)休止中に、
文化的な活動に使いましょう、と云うわけですね。

そして、リビドーが性器への関心や、異性親への性的
関心から離れ、教師や学友などの新たな対象に向けら
れるのが、潜伏期の特徴です。

つまり、彼らの世界は親、家族から、さらに地域へと
広がり、そこで他人との関わり方や、情緒的なことや
道徳など学びとって行くわけですね。


もちろん、そうは云っても、親の役割が終わったわけ
ではありません。
むしろ、これからが大変です。(^^;)

たとえば、彼らは今まで親子や家族という狭い世界
しか知りませんでした。

しかし、学校内や友達たちとの関係の中で、いままで
「当たり前」と思っていた彼らの常識が、
「あれ?おかしいな?」となって、駆け足で
「おかあさ~ん」と戻ってくるわけです。(苦笑)

つまり、いろいろな疑問や矛盾が、彼らを質問魔に
するのですね。(^^;)
そこで親の真価が問われます。(^^;)(^^;)

なんたって彼らの伸びる芽を摘んでしまうか、さらに
伸ばしてあげられるか、の岐路ですからね。

なんて、脅かしたらいけませんね。
そんなに難しいことではありません。もしここで、
彼らの疑問に対して「そうだね。お母さんもオマエ
くらいのときに、同じこと思ったかも」
と云ってあげられたなら、子供はさしたる答えが
出なくても満足します。

しかし反対に、
「そんなことより宿題したの?」
なんて答えられたら、
「いけない質問をしたのかな?」
と、自分の気持ちに罪悪感を覚え封印してしまい
ますよね。

やはりどんなことでも「なぜ?」という疑問は、彼ら
にとって成長の芽なのでやさしく見守って大切にして
あげてください。


また、たとえば、子供たちは新しい世界で、嫌な思い
をして帰宅することもあると思います。
そうでなくても、心身ともに疲れて帰ってきます。

そうしたときに、どう迎えられたか、その疲れをどう
癒されたか、が情緒を育てるには、とても大切だと
思います。

やさしさや、思いやりは、
「困っている人がいたら、やさしくしてあげなさい」
と言葉で教えられるものではなく、親が身をもって
(親自身の態度で)示してあげるものだと思いますし、
親に包まれるということ自体が、安心感とともに、
彼らに「やさしさや、思いやりとは何か」を感じ取っ
てもらう、一番大切なひとときのような気がします。

それに、そうした親の温かい見守りがあるからこそ、
子供たちは元気を取り戻し、安心して、また外の世界
へと飛び出して行けるのですよね。(^.^)


そして、この時期の 彼らは好奇心旺盛で、しかも
とても勤勉です。

しかし、そんな姿を見て、「勉強、勉強」とけしかけ
てしまうのは、どうかな?と思います。

まず、そうした姿の半分以上は
「親の喜ぶ顔がみたいから」なのです。

「なら、問題ない。もっと喜ばせてよ」
ですか?(^^;)

もちろん、何でも旺盛に吸収のできる時期ですから、
そうやって学力を伸ばすのも良いかも知れません。

しかし、親のためとは云っても「自分からやろう」
と思う気持ちと、「やりなさい」と云われてやること
では、意味が違ってしまいますよね。

誰だって強制されてやることは、いずれ嫌になって
恨みますよね。子供だって同じなのです。(^^;)

なので親も、自分たちが期待して、やって欲しいと
云えば、嫌とは云えないのが子供なのだ
と云うことを、まず肝に銘じておくべきと思います。


しかし、何故ここでそんな話をなのか、と云いますと、
この時期から勉強をみっちりやって来た子が、大学
入試が終わった途端に、燃え尽きたように うつに
なったり、先の見通しが立たなくなって途方に暮れて
しまうことが多いのです。

中には、学童期や中学になった早々に燃え尽き挫折
したり、神経症を発症させたり。。
そういう子や、人たちを多くみていますので、
「んーっ、これは・・・」と思うわけです。

もちろんその理由は、そのときの勉強うんぬんでは
なく、もっと違うところにあるのでしょう。

おそらくそれは、勉強勉強と、確かな人生目的もなく
勉強に明け暮れて燃え尽きた、と云うより、
子供の為に・・と知らず知らずに、親子が支配関係
になってしまった弊害なのだろうと思います。

それくらい彼らは、親を喜ばせたいという気持ちの
裏側で、支配に対する不快を抑圧しているのです。

ある意味、燃え尽きてしまうのも、その支配に対する
復讐と考えても良いでしょう。

つまり、親が一番望まないこと(困ること)をする
ことで、その気持ちを伝えようとするわけです。

もちろんそれは彼らにしても、(無意識から起こるこ
とであり)わけの分からぬ辛いことなのですけどね。


そして、何故そんなことを云うのか、のもう一つの
理由は、人間の性質と、心と脳の発達段階を、もっと
上手く活かすべきではないか、と云うことです。

それはどういう意味かと云いますと、
幼い脳は、たしかに吸収力もよく、面白いように
何でも飲み込んで行くのですが、人間はやはり
「オモシロイ」
と興味を持ったことでないと、せっかく覚えたことも
そこで寸断されて広がりを持ちません。

つまり、算数は算数、国語は国語、と云った感じの
繋がりを持たない知識で終わってしまうわけですね。

まして快楽原則の塊から、ようやく少し脱したのが
潜伏期ですから、少しでも辛い、面白くないと感じる
と、嫌気もさします。(^^;)

苦手科目の克服より、得意科目を伸ばせというのも、
そうした理由もあると思います。

それに脳も、いくら無限の許容量があるとは云っても、
なんの柔軟体操も無しに、いきなりドンドン詰め込ま
れたらどうでしょう? 

どこかで、支障を来たしてしまうのではないでしょう
か。ちょっと例えは違うかもしれませんが、
胃を摘出した人が機能を回復させる為には、いきなり
詰め込んだりせず、少しずつ胃を広げて食べられる
量を増やして行きますよね。

それと同じように、やはり準備段階を踏んで行くこと
が、脳にも必要なのでは、と思うのです。

ちょうど潜伏期は、好奇心に満ちた時期ですから、
自然な流れでみれば、その好奇心だけで彼らの脳を
満たし広げせけてあげる、のが理想かなと思います。

つまり、まず「なぜだろう?」、「どうしてだろう?」
という疑問がたくさん蓄えられていれば、知りたい
気持ちから自然と学ぶことが好きになる。。甘いで
しょうか? しかし本来、学びとは、そういうもの
ではないかと思うわけです。

ですので、乱暴な云い方かも知れませんが、学童期
(潜伏期)は、直接学力に結びつかなくても、そうし
た好奇心の備蓄だけの脳でも、良いのではないか、
とすら思うのです。

もちろん、そんな理想論ばかりでは、幾多の受験を
乗り越えることは難しいのかも知れません。

しかし、受験戦争と呼ばれるようになってから今日
までの、疲れきって病んでゆく人たちの姿を多く私
たちは見てきているはずです。

本当は人生を豊かにするはずの受験によって、二十歳
以降の人生が燃え尽きてしまったようになる。
それが本末転倒に思えるのは私だけでしょうか。

と、ついつい熱く語ってしまいました・・・
すみません。(^^:

しかし、ここで申しあげたかったのは、脳を含めた
心身を、自然の流れで育んであげるべきであり、
それが一番人間にとって大切なことではないか、
と云うことなのです。

いくら良い学校を出ても、社会に出て充分に働けるか
どうかは別の話では、本人が苦しむことになります。

そして順調に仕事に就いたとしても、心穏やかに暮ら
す為には、やはり安定した心(情緒)ということが
後々に大きな助けになってきますし、よい人間関係を
築くためには道徳心や、やさしさや思いやりといった
情緒が大切になってきます。

そういった意味でも、この潜伏期の6年間は、大事に
過ごさせてあげて頂きたいと思います。



最後に、ひとつ重要なことがあります。
危うく書き漏らしてしまうところでした。(^^:

この章の前半部分で、自我の成長と同時に、
『男根期に目覚めた超自我がスタンバイ状態』
と述べましたが、
この超自我は、第一部の
心の詳細図(2)』などで触れましたように
超自我の良心は、親の躾けなどの外部から植えつけ
られたルール的なもの、
であり、同時に
「それはいけないことだ」
と、決め付けて、なかば強制的に罪悪感を感じ
させてしまう
ものでもありました。

そして、この超自我は、
親だけではなく、周囲の大人(教師など)から、道徳
や社会のルールなどを学び、自我の良心だけでは足り
ない部分を補い、社会生活を助ける役割もしている
わけですが、この潜伏期が、もっともその活動が
著しく行われます。

つまり、潜伏期は、
自我の同一化とともに、道徳や、社会のルールを
身に着けて行く大切な時期
と云うわけです。


そこで親として注意しておく点としては、超自我の
肥大化の問題です。

たしかに超自我は、道徳観や社会ルールを取り込む
ためには重要ですが、あまり厳しく教え込もうとする
と、せっかく自我が身に着け始めた情緒を歪めてしま
うだけではなく、「いけない」の禁止や、罪悪感
ばかりが先行してしまい、心に多くの矛盾や葛藤を
生み出し、後々に神経症の火種となってしまう
可能性があります。

ですので、前述した通り、
「嫌とは云えないのが(この時期の)子供なのだ」
そして支配関係にならないように・・・
ということを肝に銘じておいてください。

つまり、親としては勉強も含め、子供が
「あとあと困らないように」
と、あれこれ子供に要求し、子供もそれに
「うん、ワカッタ」
と、納得したように素直に応じることがありますが、
所詮、彼らはまだ幼い子供ですから、大人の理屈や
考えが、すべて理解できているわけではない、
のです。

しかし彼らは、そうしたことでさえ吸収し消化しよう
としますが、幼い自我が受け止めきれなかったものは
超自我が受け取り(不要に働いて)、場合によっては、
親の要求に応えきれない自分を責めてしまう
こともあるわけです。

この時期、子供にとって親は『絶対』ですから、
そのことを肝に銘じ、とにかく強制にならないよう、
子供とじっくり話をする時間をとってあげてください。

そしてもちろん、彼らが、彼らなりに考えて出した
答えを尊重し・・さらに子供は気持ちがいろいろと
変わったりもしますが、それに腹を立てず、じっくり
付き合うつもりで、彼らに時間を掛けてあげてくださ
い。

そうしたことを彼らにしてあげられるのは、
親だけ、ですからね。

子供も、そうした親の姿勢に、信頼と尊敬が増し、
安心して社会を学ぶべく、外の世界へ出て行かれる
のだと思います。

そして、そうした『ゆとり』のある親子関係があれば、
超自我も無駄に肥大化することもなく、理想的な
成長ができるはずです。

と、とても長くなりました。(汗謝)


さて、この時期は、まだ神経症などの、成人にみられ
る症状は、むしろ珍しいと思いますが、その代わりに、
不自然なまばたきをしたり、首をかしげるような仕草
のチック症状や、赤ちゃん言葉や、妙に甘えた態度
などで、心の(助けて)サインを出してくる場合が
あります。

そんなときには、迷わず甘えさせてあげて、
「何か無理をさせてはいないか?」
のチェックを充分にしてあげることが大切かと思い
ます。


 

 

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このコンテンツは2006年に作成され2015年に再編集
したものです。

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