神経症のメカニズム(2)固着

神経症、2つ目のポイントは固着(こちゃく・別名『固定点』)です。

すでにリビドーの章で、なんとなく固着のことも書いてしまいました。(^^;)
それは、リビドーが集まる、という話です。

そう、固着とは、リビドーが集まった場所を云います。(^^ゞ

代表的な例で云えば、第一部で述べました抑圧です。
表面に出せない怒りや憎しみなどを、無意識の中へ沈め込んでしまうのが抑圧。
そして悲しみや憎しみの感情のエネルギーが、前章のリビドー。

そう・・・つまり、抑圧されて無意識に沈められてしまったものは、リビドーだったわけです。

別の云い方をすれば、抑圧とはまだフツフツと活動しているリビドーの集まりのことです。

もちろん、リビドーが集まってできる固着が、すべて抑圧とは限りませんが、     
無意識の中にできたリビドーの固まりが固着と覚えてください。

図にしてみると、こんな感じで固着が誕生します。




冒頭では、辛い傷の抑圧を例にしましたが、
嬉しかったこと、満足したことも固着になることもあります。

私たちは毎日生活の中で、いろいろなことがありますよね。
嬉しいこと、腹の立つこと、悲しいこと、楽しいこと、、、ほんといろいろあると思います。

そして、そのとき感じた喜怒哀楽の感情に、どんどんリビドーが集まって固着が完成します。  




私たちにとって、いつまでも忘れられない良い思い出になったり、
反対に、忘れられない嫌な思い出(心の傷)になったりするのも、この固着のお陰(?)なのです。

では、リビドーたちは、そこに集まって何をするのか?と云いますと、
それは傷を癒す為というより、果たせなかった欲求を無念に思い、そこでいつまでも(リビドー自身が)癒されるのを待っている、という感じです。

そして良い思い出なら「夢をもう一度」と、良い思い出の再来をジッと待っている・・・

つまり、いずれにしても、リビドーは「もっと満たされたい」わけで、そうした生々しい(現在進行形な)欲求不満の固まりが固着と云うわけです。

    
※フロイド以前では、神経症は心の外傷(心に受けた傷)が、主にその要因であると考えられていましたが、フロイドは、ここに書きました『固着』・・・不安や恐れ、解決されずに残ってしまった無意識的願望(欲望) ・・・こそが、神経症を形成する主要因であると考えたわけです。

 



 

 

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