さて、精神分析(学)とは、いったいどんな治療法で
あり、学問なのでしょうか。
精神分析は、神経症治療の為に産み出された治療法の
一つですが、心の働きを研究した学問であり、人間の
心理を研究した学問でもあります。
つまり、領域的には精神医学ですが、心理学でもある
わけです。
そして心理学は大別すると、意識を重視したものと、
無意識を重視したものがあり、 精神分析学は無意識
を重視した学問の仲間です。
と云いますより、無意識を初めて学問として体系化
したのが、精神分析学。いわば深層心理学の元祖ですね。
(注)ただし1920年以降、フロイド自身が意識(自我)
についての研究を発表するようになり、まるっきり
無意識(深層)だけを重視した心理学とは云えなくなった
という変遷経緯もあります。
そして、これは私なりの視点ですが、
精神分析学は、人間の感情である
『快・不快』。つまり「心地よいか、悪いか」
を重要視した心理学です。
つまり人間は、ひたすらに快楽を求める生き物ですが、
社会生活は好き勝手だけでは生きて行けません。
そして心の中で様々な綱引きが起こりますが、
そこで織り成される『心模様』が性格の形成や、
心の病に深く関係してしまう・・・
もちろん、これらのことを、これからの章で紹介させ
て頂くわけですが、この『快・不快』のことを念頭に
読み進めてみてください。きっと「ああ、なるほど」
と合点の行く話が多いと思います。
そして、
精神分析学を産み出したのは、18世紀の精神科医
ジクムント・フロイド(以下、フロイド)です。
18世紀・・・およそ130年前ですから、
日本は江戸末期から明治初期の頃ですね。
彼はさまざまな試行錯誤から、人間には無意識(自分
ではまったく意識されない心の領域)があり、
そこに抑圧されたものが神経症の原因であるとして、
精神分析という治療法を確立しました。
彼の研究の中でいちばんの功績は無意識の発見と云わ
れています。
しかし人間に無意識があることは、古代から知られて
いましたので、彼はその無意識を学問として取り上げ、
初めて体系化(理論化)した学者と云うことになると
思います。
※フロイドについて、もう少し詳しく知りたい
フォンでお楽しみ頂けるよう再編集したものです。
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