自分では知ることができない自分の無意識。
ではどうしたら、その無意識の中身が分かるの?
と、疑問に思われた方も少なくないと思います。
前々章『心の全体図(1)』で、
しかし、「いけないよ~」と云われると、
「なおさら、やりたい」と思うのが人情というもの
で、彼ら、無意識に閉じ込められたモノたちも
「何とか脱獄してやろう」と、いろいろ画策します。
つまり、牢獄の番人を誤魔化すために、変装し
姿カタチを変えて、海面上の意識を目指すのです。
と書きましたが、実はこの変装が無意識の中身を
知る手掛かりになります。
無意識の中にある欲望たちは、前述の通り、
なんとかして欲望を、私たちに意識させるために、
様々な方法でトライしてきます。(^^:
そこでフロイドは、患者に表れる症状や、言動など
から、無意識の中身を知ろうとしたわけです。
さて、どんな方法があるのでしょう。
フロイドは、その代表的なものとして、
次の3つあげでいます。
【夢】
まず、その一つめが眠っているときにみる夢です。
眠っているときは牢獄の番人も休んでいるのでしょう
か、検閲作用もゆるやかになって夢の中に無意識が
出やすいと云われています。
おそらく夢で願望を叶えているのでしょう。
あるいは私たちに、欲望を夢で見させることで、
願望を伝えているのも知れませんね。
そして、ふだん「警察官になりたい」と(意識的に)
思う夢も、ある意味この夢の延長と云えるかも
知れません。(*^^)
※この夢の話は別の章にて、もう少し述べさせて
頂きます。
【錯誤行為】
2つめは、錯誤行為です。
これは言い間違い、書き間違い、読み間違いのよう
な言葉上のちょっとしたミスや、相手の名前を忘れて
しまったり、約束を忘れてしまったりの度忘れや
失敗などの行為のこと。
つまり自分では「しっかりやってる」つもりでも、
ついうっかりやってしまう失敗のことです。
フロイドは、そうした人間の失敗や、石につまづいて
転ぶことにも、、、ちゃんと意味があるとしています。
たとえば、、これは有名な例え話で、
「今日の議会はもめるなぁ」と分かっている議長が、
「でも、やらなくては」と、重い口をあけて開会宣言
をするのですが、ついうっかり
「これで会議を終わります」
と云ってしまったのです。
もうお分かりですよね。(^^;)
そう、彼の心の中では「やらねば」という意識的な
義務感と、それとは別のところ(無意識)で、
「さっさと終わらせたい」
という本音があったわけですね。
もしかすると彼は、その「終わらせたい」という本音
を否定するかも知れませんが、やはり無意識というの
はどこかで表に出てしまうわけです。(^^;)
あと、自分が好意を寄せていた人が結婚してしまった。
しかし、自分では心から祝福しているつもりなのです
が、どうしても結婚して変わった新しい姓が思い出せ
なかったり、いくら聞いても忘れてしまったり。。。
なんてことも。(^^;)
でも、だからと云ってこうした錯誤行為が、すべて
悪意であるとか、良くないことだと、自分を責めたり、
「自分を嫌っている」と相手をなじってしまうことは、
しないでくださいね。
錯誤行為は、たしかに気持ちの現われですが、必ずし
も間違えた相手に対する気持ちとは限らないのです。
たとえば約束の場所を間違えたとしても、その人は
別の理由で「その場所へ行きたくなかった」のかも
知れません。
それほど無意識の中では、欲望や感情などが複雑に
絡み合っているわけです。
【症状】
3つめは、神経症などの症状です。
神経症など、と書いたのは、フロイドは神経症治療の
専門医でしたので当時は特定の神経症のみでしたが、
近年では研究も進み、心の病全般が無意識に関係して
いると云われるようになってきた為です。
無意識は、神経症などの症状によって、願望を叶えた
り、私たちに何かを伝えようとしているわけです。
※この症状の話は、第三部で詳しく述べさせて
頂きます。
無意識に出会える場所・・・
ふだんでは気づくことのできない、自分では分かりづ
らい無意識ですが、ここにあげた3つを調べたりする
ことで、その人の無意識に抑圧されているものが、
分かるようになってきました。
よく「云ってることと、やってることがバラバラ。
矛盾している」なんてことがありますよね。
人間は、自分のしていることの矛盾には、なかなか
気づけないものですが、他人の目からみると
「あれはどう見ても変だよ」
ということが多々あります。
こうしたことも、心の奥底にある気持ちの現れと
解釈することができます。
あるいは、私たちのよく云う衝動もそうですね。
なんの考えもなく、ぽろっと口に出してしまったり、
やってしまったりして、自分でも驚くことがあります
が、あれも無意識の現われと云って良いと思います。
あと、何かに夢中になる、あるいはボーっとして時間
を忘れるも、その一つです。
たとえば、読書に夢中になって、気がついたら二時間
経っていた、というとき、その間、自分のまわりでは、
時計の音や雑音があったはずなのに聞こえていないの
は、意識から離れた無意識の世界に居た証拠なのです。
そうやって考えると、無意識って面白いですよね。
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