自由連想法、もう一人の創始者

自由連想法といえばフロイドが有名ですが、
実は、自由連想法には、産みの親がいます。

その人は、オーストリアの生理学者であり、
内科医でもあるヨーゼフ・プロイアー 
(ブロイエルとも。1841-1925年)です。

彼、プロイアーは、アンナ・オーという女性の
ヒステリー(神経症)の治療に当たっていました。
そしてフロイドも途中から、この治療と研究に
加わります。

プロイアーは、彼女を催眠状態にし、発せられる
言葉にひたすら耳を傾けました。
はじめは無言であったり強い抵抗に遭いました
が、やがて語り出すごとに彼女の症状は改善へ
と向かったと云います。

彼はこの方法を『カタルシス的』と名づけました
が、これが後の(フロイドの)自由連想法の原型
になったことは確かなようです。

しかし、フロイドが彼女のヒステリー症状を
『性的なもの』に対する欲求の抑圧が原因と
主張したのに対し、プロイアーはそれを認め
ようとはしませんでした。

そして、二人の共著である『ヒステリーに関する
研究』を発表(出版)したあと、彼らは絶交状態に
なります。

つまり、こうした仲たがい(喧嘩別れ)さえなけれ
ば、精神分析も、二人の創始者になった可能性が
大きいわけです。

フロイド自身も著書に
「もし精神分析が偉大な功績であったとすれば、
それは私の功績ではなく、彼(プロイアー)のもの
であった」
というような記述を残しています。

もちろん、自由連想法を発展させのは フロイド
であることは云うまでもまりませんが、
歴史とは皮肉で面白いものですよね。




 

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