第五章 人間関係を楽にする知恵

【この記事は2009.10.29にブログへ掲載したものを
20015.9.4に再編集したものです】

人間関係は大変です。
自分が良かれと思っても、
相手が、そう思ってくれるとは限らない。

また逆に、何気ない相手の行為に、
ひどく困惑させられたり、
ひどく傷つけられたり・・・

ともあれ、思うように行かないのが人間関係で、
それだけで疲労困憊なんてことも
珍しくはありませんよね。(^^:

しかし、だからと云って、すぐに相手を
どうにかできるものではありません。

そうなると、自分をどうにかするしかないのですが、
それもすぐに、どうにかなるものでもないのが
人の心の難しさです。(^-^;

そこで私が日頃、カウンセラーとして心掛けている
こと、客観性を持つ意味で「自分の心に置いている」
ことを、 ひとつ書いてみたいと思います。

それは、
人(相手)は信頼するが、人間は信じない
というスタンスです。

何だか「分かりそうで分からない」変な感じですし 、
それが人間関係を楽にすることと、関係あるの?
という感じですよね。(^^:

説明しますと、
まず、人なんてそんなに大きな差はない。
そして、心底に悪い人はいない。
という前提が『相手のことは信頼する』の部分です。

そして『人間は信じない』の部分は、
人間は、嘘もつくし、人を騙し裏切るし、
基本的に自己中心的な生き物なのです。

それは人間が持つ魔性の部分とでも云いますか
人間、誰しも必ず、自分でもコントロールの難しい
『心の構造部分』を持っている。 と云う事です。

そうした意味での『人心の構造』を考えぬまま
『人間』を信じてしまうと、思わぬトバッチリや、
痛手を受けてしまいますよ、という警告ですね。


って、ちょっと分かりづらいかもですね。(^-^;
もう少し分かりやすく書きますと、

『罪を憎んで人を憎まず』
と云う言葉がありますね。

この場合の罪とは『人間の行動』のこと。
もともと人間は過ち(あやまち)をする動物で、
知らず知らずに罪深い間違いをしてしまうことが
あるが、それは人間の心の構造上のことであり、
(人間という動物同士としては)「お互い様」とも云え
るので、相手を恨まず、憎むなら人間という動物を
恨みなさい、と云う解釈が持てます。

さらに云えば、
自分だって知らず知らずに誰かを裏切ったり、傷つけ
ているはずだから、相手を恨むと云うことは、
自分自身に跳ね返ってきますよ。
だから、相手を恨む前に自分のことも省みて(振り返って)
みなさい、と云う解釈もできます。

つまり『人を呪わば穴二つ』で、人を恨むと、
結局それが自分に跳ね返ってきて「つまらんこと」
になるわけです。(^^:


ともあれ、
人にはそれぞれ、考え方や行動の癖を持っています。
まあそれが、性格とか個性とか云われるものでも
あるわけですが、それがマイナス面に出てしまって
いる場合には、
「心に何か大変なものを抱えているのだろうな」
と考えられるわけです。

たとえば、
人の陰口が好きな人、
ズケズケと物を云ってしまう人、
自分勝手な行動をとってしまう人・・・

そういう人たちは、きっと心に満たされない何かを
抱えているから、病気のように、本人の意思ではなく、
知らず知らずにそういうことをしてしまうのだ。
と考えてみる・・・

そうすれば、きっと相手は本意でそんなことを
したいわけではないし、
自分(私)に対して悪意があるわけではないのだ。

ただ、どうすることもできず、そうしてしまうのだ。
まあ、自分(私)に甘えてくれているのかな。
でも、自分にも「そういう部分があるだろうから」
お互い様だもんね。

と、その出来事や、相手のことも肯定的に
受け止めることが可能ですし、
自分の心に『ゆとり』すら生まれるはずです。

反対に、 相手の悪い部分だけに注目してしまうと、
自分自身が(受け止めきれず)ツラクなって、
関係が悪化したり破綻したり・・と、
あまり良いことにはなりませんからね。(^-^;

人間関係は、お互いの心のキャッチボールですから、
「自分も相手も、お互い様なんだ」と
思える心の工夫が大切なはずです。

カウンセラーは、そうした満たされない心が
少しでも晴れるようにお手伝いすることが仕事ですが 、
普段の人間関係でも、
「きっと何か抱えているんだろうなぁ」
という考え方が持てれば、(同情などではなく)
「お互い大変だよね」
という気持ちになれるのではないかと思います。



※もちろん、『知らず知らず』や『悪意はない』が
免罪符として、すべてが無罪放免と云うわけでは
ありません。
子どもならいざ知らず、大人としては、
ちゃんと自覚しておくべきことです。

で、あるなら、自分自身に対して、
自分を信じても、人間は心の構造上「過ちを犯す」
と知っておくことで、むやみに相手を傷つけたり
しないで済む・・・と云う予防にもなりますよね。

人間の心には、思い込みや、防衛機制など、
いろいろ複雑な部分(構造)がありますから、
そうした事情を知っておくだけでも、何かの
役に立つかもしれません。

関連リンク ※思い込み 『人間理解の原点』 

関連リンク ※防衛機制 『防衛機制』


※また「病気」と云うと何だか
「随分ひどいことを・・(--;)」と思われるかも
知れませんが、もちろん悪い意味で述べている
わけではありません。(^^:

その考え方の基本は、下のリンクページにあります。
言葉足らずの補足と云ってはなんですが(^^:
もし宜しければお読み頂けたらと思います。

関連リンク  人間、みんな病気です

関連リンク  人間はみんな病人・・・?!


2015.9.4
2016.4.3 加筆修正

 




このコンテンツは1998年に作成され2015年に再編集
したものです。

【当サイトをご利用頂く際の留意事項】
・当サイトに掲載されている文章等の著作権は放棄し
ておりません。文章等を引用または使用頂く際は引用の
正当な範囲内に留め、本文と引用文を明確に分け、必
ず出典元の記載をお願いします。引用を逸脱した行為
に対しては、いかなる理由によっても、無断転載及び
無断使用と見なし訴訟案件となりますのでご注意くだ
さい。
・また、当サイトのご利用により生じたと考えられる
損害に対し当方は責任を負うものではありませんので
、あらかじめご了承ください。


 アクセス解析用広告
姫路 マッサージ     

  

カウンセリングルーム アクト