ミニコラム2

◆心理学は難しい?

人間心理に興味を持ち、いろいろ本を読んでみた
けど「結局よくわからなかった」という経験は
ありませんか?

正直いって、心理学はそんなに飛びつくほど面白
いものではありません。やっぱりそこは、数学や
文学などと同じ学問ですからね。

書店に置いてあるような『××の心理学』のよう
な本なら「ああ、なるほどな」と思うことは書い
てありますが、自分が本当に知りたいことは、
なかなか教えてはくれません。

だからと云って、いきなり専門書を読んでみても、
「何のことやらチンプンカンプン」
と挫折してしまうのが心理学ではないかと思いま
す。

あるいは、
心理学は「わかった」けれど、いざ実践で、
相手の気持ちを理解しようとしても、
「教科書どおりではなかった」
なんてことありませんか?

それは変な言い方かも知れませんが、心理学と
個々の人間心理は別モノだからです。
 
つまり、心理学は『心のこと』を教えてはくれま
すが、それはあくまでも
「心とは、こういうものですよ」
という一般的な心理であり、実際的な家族や恋人
の心の中とは別。

そうした一人ひとりの心を本当に読み解こうと思
うなら、心理に関する知識も大事ですが、
あなた自身の心の在り方(心を読み解く為の柔軟
な考え方)のほうが、もっと重要になります。
(次の『余談・・人間理解の原点』をご参照)

アクトの考える心理学は、そうした『心を読み取る
力』を身に着け、役立てて頂くためのものです。
相手の心を理解しようとする気持ちと、柔軟な考
え方があれば、人間関係の改善だけではなく、
ご家族やお友だちの悩みの相談などにも(ホーム
カウンセラーとして)ご活用頂けると思います。
と、最後は宣伝でした。^^ゞ(笑)


 
◆『人間理解の原点』

相手の気持ちが「理解できない」、
相手と「わかりあえない」ときの最大の理由に、
「わかっているつもり」の先入観にあります。

つまり、あなたの心にインプットされている
「きっと、こうに違いない」という思い込みが
邪魔になって、相手の心を見づらくしている、
というわけです。

たとえば、喫茶店で一緒にお茶を飲んでいる相手
が、ほとんどしゃべらずテレビ中継ばかりを見て
いたとします。長い付き合いであれば
「この人は、こういう人」
と思うこともできるのですが、それでも自分の
気持ちの状態によっては、
「この人は、私と一緒にいても退屈なんだ。き
っと自分のことが嫌いなんだ」
「きっと、そうに違いない・・・そうでなければ、
いまの状態の説明がつかない
と相手を自分の都合のよい『枠(わく)』の中に
当てはめてしまうことはありませんか? 
そうしたことが、先入観(思い込み)です。

でも実際には、あなたと一緒にいるとホッとでき
るから、あなたに甘えて無口だったり、本当に
見たいテレビ番組だったのかも・・・あるいは、
体調が悪かったのかも知れません。
そもそも本当にあなたを嫌っているのなら、
喫茶店で一緒にお茶などしませんからね。
 
しかし私たち人間には、こうした思い込みがとて
も多く、悩みや、人間関係のトラブルの原因の
ほとんどは、この思い込みから起っている・・
と云っても過言ではありません。

 
さて心理学は、そうした心の動きを読むヒントを
教えてくれますが、それ以上に、私たちをそうし
た思い込みの悪循環から救ってくれる学問です。

どういう意味かと言いますと、
心のことは知れば知るほど「わからなくなる」
と言いますね。実は、心理学も学べば学ぶほど、
人の心理がわからなくなります。

「えーっ?それじゃ困るじゃん」と思われるかも
知れませんが、それでヨイのです。

つまり、心理学は『心を理解する』為の学問です
が、心を理解すると言うことは、
「人の心はわからない」と言うことを「理解する」
ことから始まるからのです。

そして、この「わからない」と云うことが
「わかる」ことこそが、人間理解の原点になる
わけです。 

なぜって、「わからない」ことが理解できれば、
自分が「きっとそうに違いない」と思っている
先入観が、とても無意味(邪魔)であることがわか
ります。

そして心の中が先入観も何もない『白紙状態』で
スタートすることができれば、相手の気持ちが
どうであっても(とりあえずは)受け入れ可能に
なりますからね。

そうした意味では、心理学を学ぶということは
「思い込みを打ち砕き、(先入観を持たぬ為の)
心の修行をすること」
と言えるかも知れません。 
きっと、あなたの心を、驚くほど軽くて快適なも
のにつくり変えてくれるはずです。


ちなみに・・・
(話が長くなりましたついでに・・・)

心理学に限らず、私たちが
「わかっている(知っている)」
と思っていることの正解率など、実は
「0001%にも満たないぐらい」
あやふやで、いい加減なものです。

たとえば、ある出来事に対して
「あれは絶対にそうだ」と思ったとします。
でもそれは自分自身がそう思っているだけで、
確証はどこにもないのです。

しかも世の中に「絶対」と云えるものは皆無です
から、「絶対に」と思えば思うほど、その確信は
根拠の無い、いい加減な話になってしまうのです。

しかし私たち人間は、確信が持てないままだと、
心が不安(不安定)で、それが気持ち悪くて我慢で
きないのですね。

だから信じたいことを、信じようとしてしまう。

つまり、真実がどうであろうと関係なく、
自分が「そうだ」と信じたいことを無理にでも
「そうだ」と思い込んで、心の安定を保とうと
するのが人間の心理なのです。
(自分をひとつの枠へ無理にはめ込んでしまう)

ですが、そこには真実はなく、無理もあります
から、どうしても裏切られた気持ちになって、
「傷つた」と思ってしまったり、わざわざ実際に
自分から騙されたりと、ますますツライことに
なってしまうことも珍しくありません。

心理学は、そうした自分自身の心の状態や、物事
の成り立ち(道理)に気づかせてくれる学問でもあ
りますから、(本当の意味での)視野が広がり、
必然的に生きやすい自分と巡り合えるはずです。 



◆なぜ、子育てなの?

これは余談になりますが、よくアクトには子育て
の記事が多いけれど「どうして子育てなの?」
という、ご質問を頂きます。代表者のイメージが
子育てに結び付かないのかも知れませんね。汗

精神分析学は、心を分析する学問ではなく、
心の発達と(神経症などの)心の病の関係などを
研究した学問です。そしてその中で、性格が形成
される乳幼児期を一番大切な心の発達段階として
重要視しています。

アクトも神経症に悩む多くの方々と交流させて頂
いておりますが、その中でやはり『生育環境』が
いかに大切かを日々痛感しています。お子さんを
神経症にしようと思っている親御さんは皆無です
が、もし子育てで「してはいけないこと」の知識
があったなら、神経症予防も出来るのではないか
・・ということが「どうして子育てなの?」
の答えです。

なにより、この心の発達段階を上手に過ごして
頂くことが、心の健康の基礎になるわけですから
積極的に取り組まない理由はありませんよね。

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このコラムは1998年に作成され2015年に再編集
したものです。
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