第一章 自分を欺かない 自分だけには嘘をついてはいけない

たとえば、会社の帰りに仲の良い同僚から
「今晩、食事に行かない?」
と、誘われたとします。

しかしあなたは、嬉しい気持ちもしたが、どうしても
先約があるので今日は そちらを優先したい。
あなたなら、同僚にどう返事をしますか?

もしあなたが
「誘ってくれてありがとう。私も行きたいのだけど、
今日はどうしても用事があるのでごめんなさい。また
誘ってね」

あるいは折り合いをつけて

「8時間くらいまでなら大丈夫。OKよ」
という具合に答えるようであれば、あなたは自分に
正直な生き方をしていると云えるでしょう。


しかしその逆に、
もしあなたが、断ったら相手の気分を害するかな・・
嫌われてしまうかな・・・と、自分の気持ちや意見を
何も云えず承諾してしまうタイプだとしたら、仮に
OKを出したとしても、楽しく過ごすことができず、
いつもモヤモヤした気持ちが残ってしまうのではない
でしょうか。


生きづらさを感じたり、対人関係に難しさを感じたり
してしまうのは、もちろん後者タイプの人です。


では何故そうなってしまうのか、それはあなた自身が、
自分の気持ちに嘘をついているからと云えるでしょう。

もちろん、人間関係は自分の思うままにならぬもので、
半分以上、あるいは大半は、自分の何かを譲ること
で成立しています。

しかし、それと自分を欺くことは別で、もし自分に嘘
をつき続ければ、息苦しいだけの毎日になってしまう
のも当然の結果と云えるのです。

おまけに自分を欺いているわけですから、何事にも
自信が持てず、消極的な行動となり、自分など取るに
足らぬ人間である・・・と、過小評価の悪循環になっ
てしまうことが多々あります。

つまり、どんな理由があっても、
自分のホンネを無視して、
自分を裏切ってはいけない
のです。

人間は誰だって、自分の意に反したことは、したくは
ないもの。 気持ちが乗らないときには、行動したく
ないものなのです。

なのに自分の気持ちを誤魔化して行動するのですから、
それだけでも、かなりのダメージになる訳です。

先ほどの例で云えば、自分は相手を尊重したつもりで
も、自分の意見を述べていない・・・

つまりそれは、
「すべて、あなたにお任せします」
と、知らず知らずに自分の気持ちを犠牲にして相手の
支配に飛び込んでしまったようなものなのです。

この気持ちが大きくなると
「私はいつも、あなたに従ってあげている」
と、あたかも自分が振り回されているような気分
なって、みずから関係をギクシャクしたものにして
しまったり、我慢の限界がきて
「もう、この人とは付き合えない」
と、逆ギレを起こしてしまうことも多々みられます。

ふだん大人しいあなたが、いきなり怒り出すわけです
から、同僚はとても驚いてしまうのですが、まさか
あなたが、それほどまでに自分を抑え込んでいたな
とどは、思いもつかないでしょう。

※もちろん相手はあなたを支配しているつもりも
なかったはずですし(ケースバイケースですが)、
あなたが感じた我慢の限界は、相手に対してでは
なく、自分自身への嘘と裏切りに対してです。



【そうならないために】

仮に あなたが、つい自分を偽ってしまうタイプの人
でも、落胆することはありません。

はじめは少し勇気がいるかもしれませんが、気持ちを
素直に表現するように心掛ければ大丈夫です。

まずおそらく あなたは、
「これを云ったら相手がどう思うか」
「嫌われてしまうのではないか」
ということを恐れているのかも知れませんね。
だから思っていても云えない・・・

※とくに「嫌われるのでは」と恐れてしまうのは、
成育歴での『見放され感』などからくる怯えとも
云えるかも知れませんが、それは修正可能です。


しかし、相手は必ずしも、あなたの返事で豹変する
でしょうか。 

いや、しないと思います。

もちろん中には、断られることを異常に嫌い、断られ
たことで、さらに強引に出る支配的タイプの人も居ま
すが、もしあなたが、自分の気持ちを素直に述べた結
果そうなったのであれば、こんどは、あなたがその人
との今後の付き合い方を選べれば良いのです。

つまり相性が合うか合わないかの問題ですからね。

ただし、自分の気持ちを偽らず断るからと云っても、
「今日食事どう?」「いや、断る」では、
コミュニケーションもなにも あったものではありま
せんから、やはり人間関係のマナーやルールとして、
その云い方を少し研究しなくてはいけないでしょう。


しかし、そう難しく考える必要はありません。
あなたは仲の良い同僚に誘われて、嬉しい気持ちもあ
るわけですから、その気持ちを素直に表現さえすれば
良いのです。

たとえば、
これは冒頭に書いた会話の繰り返しになりますが、
「今晩、食事に行かない?」
「誘ってくれてありがとう。私も行きたいのだけど、
今日はどうしても用事があるのでごめんなさい。また
誘ってね」
で良いわけです。

もし相手がとても寂しそうな顔をしたら、
「本当に ごめんなさいね。こんど必ず穴埋めするか
(^人^)」
とでもフォローしたら良いですし、相手が自分に何か
頼みごとがあって、自分もそれに応えたい気持ちなら
「そっか。それ急ぐ? 急ぎなら、こっちの用事を延
ばしてもらうから」
と答えても良いと思います。

そのときには、自分の気持ちに嘘が無いわけですから
気持ちよく同僚に付き合うことができるはずです。


コミュニケーションは、心と心の繋がりですから、
「イエス」か「ノー」の一言で片付けようとせず、
いつも相手に寄り添う感覚でいると良いでしょう。

「今日、暇?」「今日はダメなんだ」よりは、

「今日、暇?」「ううん、今日は忙しい」「そっか」
「どうしたの?」「ちょっと聴いて欲しいことがあっ
てさ」「そうなんだ」「うん」「明日ならOKだよ」
「わかった、そしたら明日お願いね」
のほうが会話が綺麗だし、良い余韻が残りますよね。

それは、あなたが相手の気持ちを踏みにじらず、自分
の気持ちも踏みにじらず、どちらも大切にした結果で
もあるのです。

つまり、自分の気持ちを正直に表現することで、はじ
めてお互い気持ちよく付き合うことができるのです。


え?もし相手が気に入らない上司や同僚だったら、
どうする、ですか?
それも基本は同じです。そこでも自分の気持ちを欺い
てはいけません。

ただし、いくら自分の気持ちに正直とは云っても
「てめー、ふざけるな、セクハラおやじ!」
などと、間違っても叫んではいけません。(笑)

そこは大人のコミュニケーションマナーとして、
「すみませんが、早く帰宅しないといけませんので」
と嘘も方便、でも自分の気持ちには正直に誘いに乗る
気はないと示せば良いし、それでもしつこく誘うよう
であれば、それは論外。

相手は空気の読めない(読もうとしない)人ですから
「それはまた別の話」として、他の対策を考えること
に致しましょう。。。(苦笑)


いずれにしても、『いま、すぐに』というのは無理か
も知れませんが、少しずつ自分の気持ちを正直に表現
するよう心掛けてみてください。
そうすれば、変化している自分に気付けるはずです。



前述した成育歴の問題があるとしても、
「自分にはムリ、出来ない」ではなく、
それはあきらめて「やろうとしていない」だけ。
勇気がくじかれているだけなのです。

もちろん初めは苦痛に感じるかも知れませんが、
(一生感じ続ける)自分を偽る苦痛より、
(一時的な)素直になる為の苦痛のほうが、
良いと思いませんか?

しかも、あなたの人生自体が明るくなれるのです。
勇気を出してみませんか。





 

このコンテンツは1998年に作成され2015年に再編集
したものです。

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