私は健常者と違う?

さてさて、あなたは運悪く、内科医から『自律神経失
調症』と診断され、そこでの治療が思わしくなく次に
訪れた精神科では『神経症』と診断され、途方に暮れ
てしまいました。

運悪く・・・という言葉には語弊があるかも知れませ
んが、もし仮に『めまい』に対して『三半規管に異常
がある』とか、『胃の不調』に『胃炎が発見された』
のであれば、『病者として扱われ』、明確な治療目標
も持てて、途方に暮れる必要もなかった訳です。

それが、どんな検査を通しても、あなたが訴える症状
の病巣が、科学的にどこにも認められない・・・
そこで産み出された症名が、『病気のようなもの』
である『○○症候群(シンドローム)』。

つまり、それが自律神経失調症や、神経症です。

口悪く云ってしまえば、医者も商売。内科なら、内臓
的疾患が認められなければ、保険請求の出来ない訳で
す。ただ、善意の部分を取れば、「本当は異常がない
のだけど、患者さんが、これだけ苦しんでいる訳だか
ら、クスリで少しでも症状を緩和させてあげましょう」
ということで『自律神経失調症』なる言葉が誕生した
のです。 

こと精神科に至っては、内科的疾患が認められなくて
も、精神的(心的)な部分で診察を続けられるので、
あえて内科的『自律神経』を持ち出す必要もなく
『神経症』で済むのですね。

その他、精神科で診断される『心気症』なども、
『症候群』であり、医師たちのの認識も
『非精神病(精神病では無い)』なのです。


さて、前置きが長くなりましたが、それではタイトル
にもなっている『私と健常者は違うのか?』。

結論から云えば、身体に器質的欠陥(心臓や胃が壊れ
てる事実)が、認められていない訳ですから、
たとえ(動悸や吐き気などの)症状があったとしても、
健常者と区別して考えるべきではないと思います。

そう、あなたは、あなたが思う『普通の人』と、
なんら変わらないのです。

強いて云えば、ストレスなどで自律神経機能が左右さ
れやすい体質であり、現れた症状に敏感という性格な
だけ・・・なのです。

そこで脳の問題、伝達物質の異常が出てくると思いま
すが・・・その事にしても、視力が弱い、胃が丈夫で
ない・・・という体質的な相違と同じ、と捉えるべき
ではないでしょうか。


あえて、無理やりに(笑)
それらとの違い・ハンディを考えるなら、
視力なら眼鏡、聴力なら補聴器、骨折なら松葉づえ、
高血圧なら降圧剤、胃弱なら健胃剤・・もういい?(笑)
と『補いグッズ』があるけれど、
神経症に関しては
『ストレスや、自分の気持ちとの付き合い方』
という『対自分』の部分が強いので、なかなか取り
組むことが難しいという面でしょうか。(^-^;

『補いグッズ』は、さしずめ抗不安薬や、各種の森田
療法などの精神療法、あとは根性?^^;


なので、あなたは少なくとも、普通の人に引け目を感
じることなく、堂々と、普通の人と同じ生活を送って
も良いことになります。
神経質症が原因で命を落とすことも絶対ありません。


そこで問題になるのが、私は健常者とは違うという、
自分に対する逆差別を、どのように克服して行くか
・・なのだと思います。

この章の最後に、
神経質症を治りづらいものにしている逆差別と、その
温床にもなっている疾病利得(しっぺいりとく)
ついてを記し、みなさんへの問題提起をして終ろうと
思います。


疾病利得・・・自分がその病気や症状の陰に隠れて
いるうちは、社会的責任や、義務が免除される。

つまり、症状はたしかにつらいことだが、それがすべ
て治まってしまうと、いままでの免除や甘えも社会的
(世間的)に認められなくなってしまう。
  
だから、症状は無くしたいが、神経症からは卒業した
くない気持ちもある・・・という葛藤。

僕自身にもこの葛藤の経験がありますが、
症者自身、このことは よく知っているはずです。

神経質症の病巣が『甘え』(いわゆる人間的な幼弱性)
と云われる由縁ですね。


症状さえなくなれば、いまよりももっと動ける・・・
これを事実だとすると、動ける以上は、それなりの
責任や義務が出てくることも、至って当然なことなの
です。

あとは、自分でどちらの道を選んでいくか・・・
の選択だと思います。

このまま周囲に甘え、肩身の狭い思いをしながら、
何もせずに人生を終らせるのか。

どんどん社会に参加して、責任や義務を果たしながら、
充実した人生を送るか。

もちろん僕は最終的にその後者を選びました。


一見、神経症とは無関係なようですが・・・
実は、症状との決別には、この疾病利得との葛藤克服
が、大きなカギを握っています。



 




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