神経症・恐怖症の違い

神経症と恐怖症の違いを説明すると、どうなるので
しょう。

まず、神経症に代表される表現は「不安」。
恐怖症は文字通り「恐怖心」でしょうか。

いずれにしても、何かを恐れている状態です。

ただ恐怖は対象が明確なのに対して、
不安はあくまでも漠然とした何かが相手です。

だから一度「××神経症」と診断されても、対象が
明確になると「あなたは××恐怖症です」になって
しまう・・・。

しかしおそらくカルテに書かれる診断名は一様に
『神経症』だと思います。


難しいですか?(^_^;)

でも両者には、明確な線引き(境界)が出来ないこと
も事実です。

神経症は大きく分けると、
『不安神経症』『抑うつ神経症』『強迫神経症』
の3タイプ。

そして、強迫神経症の中に『対人恐怖』や『乗り物恐
怖』などの各種恐怖症が属されています。 

それもある精神科医に云わせると
「それだって、あなたはコレです、と断定はできない」
ほど、症状や対象は個人中でも渾然として(入りまざ
って)います。


では何故、明確に出来ないのかと云えば、すべての
神経症・恐怖症が、不安や恐怖を持つのは
「死にたくない」為。

つまり、症状の原因を掘り下げていくと、
必ずこの「死にたくない」の根っこで交わるからです。
結局「一緒」ってことなのですね。(^^:
      
※不安・恐怖についての詳しくはコチラで。


神経症の症状が一箇所にとどまらず、この症状が
出なくなったと思ったら別の症状が・・といろいろに
出てしまうのは、実はこの為なのです。

※要は『再発した』と云うより『(対象が)移動した』
という感じですね。


なので神経症・恐怖症の人たちが集う自助グループ
では、症状を区別せず様々な症名の方々が一緒に
勉強会を開きます。

そして様々な症状や訴え、克服談を聴きながら、自分
に当てはめ、総括(反省し目標を立てる)していくの
です。
 
なのでここでは、種類が雑多でも「根本」は同じ。
神経症・恐怖症は、症名の違いはあっても「同類なん
だ」と結論しておきましょう。


余談ですが、よく
「私は乗り物恐怖で、神経症ではない」とか、
「あの人の神経症とは違う」と云う話を耳にします。

勿論、症状や対象が個人々々に異なるので、そうした
考えににるのも仕方ありません。
でも以上のような理由ですから、あまりカテゴリーに
拘らずに、多くの体験談を聴くことも大切です。

そして何より、いろいろな解釈に惑わされないことが
何よりも一番大事です。






・当記事は1998年に執筆者のプライベートサイト
に掲載したものです。
尚、時間経過により陳腐化した箇所のみ加筆、修正し
ました。また文章はスマートフォンで読みやすいよう
編集してある為、パソコン画面では読みづらい部分が
あるかもしれません。あらかじめご了承ください。


 
カウンセリングルーム アクト