その回復への提案(10) 最後に

意識したつもりはないのですが、世代関係を折り
込んだせいもあってか、話が親子関係中心になっ
てしまいました。
もっとも、心のことって、とくに親と子の繋がり
が大きく影響するから仕方ないのでしょうけどね。

その中、提起案では、子供たちに伝えて欲しい、
という言葉を多く使いましたが、本当に伝えられ
るのは『言語』ではなく、『親の背中(姿勢)』
だけと云っても過言ではないと思うのです。

つまり言葉より、態度(姿勢)ですね。

それは何か立派なことを見せるではなく、どんな
生き方でも、苦悩しながら一生懸命に生きようと
する姿。それだけです。

子供たちは、その背中からいろいろなことを感じ
取り、モデルにしながら自分を創り上げていき
ます。

まず、このことを付記しておきます。


さて、以上、駆け足でしたが、何枚かのページを
書かせて頂きました。そして書いているうちに、
改めて気付くことがたくさんありました。

彼らがシラケテいるように見えるのは、実は
自分自身の心が冷めているから、ということ。

そして彼らは、そんな私たちに、ずっとシグナル
(警告)を送り続けてくれているのかも知れない
・・・と。


私たちは、この数十年の間に、マンションのドア
だけではなく、「こんな時代だから」と
自分の心のカギまでも、掛けていたのかも知れま
せん。

彼らの心が見えないのは、私たちが見ようとして
いなかった、とも云えますね。

そして彼らも途方に暮れ、(私たちと同じように)
殻に篭ってしまった・・・のではないでしょうか。


そこで思う反省は、やはりキチンと向き合ってい
なかった。それは、彼らの存在や個性を、しっか
りと認めてあげていなかった・・・ということです。

向き合うとは、たとえ相手が子供でも、心での
問いかけには心で、理屈には理屈で、真剣に
相手を受け止めようと努力すること。
そしてそれが礼儀だと思います。

子供が「学校へ行きたくない」と気持ちを吐き出
しているのに、
「成績は、どうでも良いから、とにかく出席日数
だけ稼いで、卒業だけでもしたら」
なとど云っても、それは一見理解のある親ですが、
子供は納得しません。

それは子供から
「このままだと落第しそうだけど、これからどう
しよう」と相談された時の答えです。

子供が望んでいるのは、
「まあ、そういうときもあるよね」
という、行きたくない自分をとにかく肯定してく
れる言葉(態度)なのです。

そんな風に、気持ちの問題は、気持ちで受け止め
てあげないと、
「この人は、分かってくれない」
と、親子関係でなくても、相手は心を閉ざしてし
まいます。


書き始めると、また止めどなくなってしまうので
やめますが、

いままでの人間関係にそのような行き違いは、
無かったでしょうか。

そう考えると、やはりmind-lessのことも、
やはり心で受け止めて、根気よく向き合って行く
しか無いような気がします。


もちろん、このmind-lessが、私の思い過ごしか、
一過的な流行のようなものであり、笑い話で済む
ことを、いま心から願っています。

ただ、何事においても『現象が起こる』と云うこ
とは、そこに何か原因があり、後世にまた(何か
しらのカタチとして)現われることなので、その
予兆を見逃さず、都度の後始末を取ることが、
(いまを生きる)私たちの責務だと思います。


新しいビルを建てるときには、古いビルはとり
壊さなくてはなりません。

良い時代、良い生き方を築くのも同じで、
そこには破壊(様々な現象)が生じます。

いまは、破壊と建設の変革期、なのだろうと
思います。

そんなとき「こんな時代だから」という諦めた
気持ちになってしまえば、何ら前向きな空気は
生まれません。

ピンチはチャンスです。
いまが、そのときではないでしょうか。

もちろん、自分一人の力で世の中を変えようなん
て思う必要はありません。
相手や世の中を変えようとするのではなく、
私たち自身が変わろう(良くなろう)
とする姿があれば、おのずと周りも変わってくる
はずです。


つたない書き流しで恐縮ですが、ここに掲載しま
した記事が、これからの時代を考える上での一石
となれば幸いです。
欲張った内容で大変に長くなりましたが、最後ま
で読んで頂いて有り難うございました。





※この記事を読んで、不安を感じてしまった方へ。

もし仮に、このmind-lessな人たちが存在すると
しても、それは決して「もうダメ」ということ
ではありません。人間として生まれた以上、必ず
心は持っています。ただそれが、いまは上手く機能
していないだけのことで、きちんと育てて(修正
して)あげれば、取り戻せます。
もちろん、年齢には関係ありません。

もっとも、この現象は、誰が、と云うような特定
のものではなく、私たちすべての人間たちが抱え
ている宿題であるということのほうが、正しいと
思います。ひとり一人が、身を引き締め、反省し
改めるところは改めて行くという認識と、行動が
最も重要なのだと思います。

もちろん、「分からないことは、分からない」で
良いのです。大人だから、子供だからではなく
分からないことは、これから学んでいけば良い
だけのことですからね。  

私が今回、このような記事を書かせて頂いたのも、
人間の能力はそんなに安っぽく滅びるものでは
なく回復できると確信しているからであり、
いつの世も、こうしたことを克服することで、
私たちの方向性はいままで以上に良くなると、
信じているからです。繰り返しになりますが、
何事も、ピンチは、チャンスなのです。



※この記事を読んでくださった、若い方々へ。

最後になってしまいましたが、まず、読んでもら
って、ありがとう、と申し上げます。このHPに
来られ、こんな難しい、わかりづらい記事を
最後まで読まれたということは、あなたが、
今の時代に不安を感じられている人、他の云い方
をすれば、心が正常に働いている人なのだと
思います。

でも、こんな記事を読んで、ますます不安にさせ
てしまったかも知れませんね。
その点は、ごめんなさい、とあやまらせてください。

しかし、そうやって不安に感じてくれる若い人が
いることを、私は、とても嬉しく思います。

どうか、人間が持つ心の力を信じて、(不安でも)
そのままの気持ちでいてください。

あなたにとっては、とても生きづらい世の中かも
知れませんが、私たちも頑張って、あなたが本当
の笑顔になれる世の中にして行きたいと思ってい
ます。

そして、良い世の中にできるように、どうか、
あなたの力も貸してください。
一緒に頑張りましょうね。
   

 

 

・当記事は2002年に掲載したものを加筆修正し
スマートフォン対応に再編集したものです。
※文章はスマートフォンで読みやすいよう編集して
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もしれません。あらかじめご了承ください。


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