ミニコラム1

◇神経症のカウンセリングパターン

多くの場合、神経症の回復(克服)には多少年数が
必要ですが、症状の重さの違いよりも、
クライアントさん本人の気持ちの違いが克服まで
の期間の差のように思います。

また、神経症の回復に時間がかかる理由も
『2つの壁(障壁)パターン』が
あると、アクトは考えています。


まず、上記の『クライアントさん本人の気持ち』
と『2つの壁パターン』は一致しますので、
ここではそれを、

・消極的な気持ちパターン
・積極的な気持ちパターン

という形で記してみたいと思います。
同時にこの2つのパターンがカウンセリングパタ
ーンにもなります。


☆消極的な気持ちパターン

カウンセリングを受けるまでの経緯としましては、
・ご本人の希望
・ご家族の希望
の、いずれかになると思いますが、仮にご本人の
希望であったとしても、人間の心には複雑な部分
があって、克服を怖がる気持ちや、
「まだ克服したくない」という消極的な気持ちが
隠されています。

この消極的な気持ちにも、さまざまな理由があり
ますが、たとえば、症状が消えてしまうと、学校
や仕事を休む理由がなくなってしまう。
そうなると、いままで免除されていた『役割』や
『責任』も果たさなくてはいけなくなるわけです。

もちろん、ご本人としては
「そんなことは承知している」はずなのですが、
いざそれが現実的な話になってくると、どうして
も尻込みしてしまう・・・

これがひとつめの『消極的パターン』であり
『ひきこもってしまっているケース』
の多くに当てはまるパターンでもあります。

ここで理解して頂きたいのが、決してご本人は
怠けたいと思っているわけでも、
好んで臆病になっているわけでもなく・・
これが神経症という症状なのだ、ということです。

つまり、強い不安で自身を身動きのとれない状態
にしてしまうのが神経症という心の病なのです。


カウンセリングは、克服したくない理由を一緒に
考えながら、同時に、克服のための一歩を踏み出
す勇気がもてるよう応援することが主体になりま
す。

つまり、何らかの理由で
『克服する勇気がくじかれている』
わけですから、その理由を探し出し、必要であれ
ばそれを改善し、『克服する勇気』が持てるよう
援護するわけですね。

もちろん、それにはご家族の理解と協力(見守り
ながら待つ気持ち)が一番であり、不可欠である
ことは言うまでもありません。



☆積極的な気持ちパターン

このパターンのクライアントさんは、とにかく
アクティブで、
「克服したくてたまらない」
という積極的な気持ちが強いです。
そうなると、それは大変結構な話で、
「なぜそれが問題になるのか?」ですよね。

もちろん、そうです。
「良くなりたい」という強い気持ちは、何よりも
回復の原動力になります。


しかし、このパターンのクライアントさんには、
大きな壁と言いますか、大きな落とし穴が待ち構
えている場合が多いのです。

それは
『症状を消そうと、そこだけに集中してしまう』
ことです。

つまり「この症状さえなければ自由になれる」
わけですから、その邪魔モノを消そうと躍起に
なってしまうわけです。

気持ちとしては痛いほど理解できるのです。
ですが、残念ながら、その気持ちと努力は実を結
ばないどころか、逆に、神経症克服を遠いものに
してしまう原因になります。

そもそも、神経症は病気ではありませんから、
「治る、治らない」
というシロモノではないのです。

そして症状も、病気で起こっているわけではあり
ませんから、それ自体と戦ったところで徒労に
終わってしまうだけではなく、
症状のことばかりを考えてしまうことで、
かえって(症状を)深めてしまうのです。

神経症の療法にも、
『神経症は治そうとしてはいけない』
というセオリーがあるほどです。


ではどうしたら良いのか?ですよね。

そこで、たとえば・・・
森田療法で言えば『あるがまま』という境地のよ
うなものがあります。
言葉としては簡単そうですが、この言葉の本当の
意味を理解することは禅問答のようで至難です。
神経症に陥っている状態ですと、とくに・・・

しかし、この『あるがまま』の状態こそ、健常者
と呼ばれる人たちが、ふだん無意識に生活してい
る姿そのものであり、神経症者が求める
『克服の先』にある(症状のない)自由な状態なの
です。

ならば、その『あるがまま』を会得するようにし
たら良いではないか?となりますよね。

はい、そうなのですが、前述しましたように、
この言葉の本当の意味を理解することは、とても
至難で、仮に言葉を理解したつもりでも、その
実践は意識してできるものでもないのです。

そこでカウンセリングでは、
日常生活を送りながら自然と『あるがまま』な
状態になれるよう、
「神経症を治そうとしてはいけない」
という指導とともに、アドバイスを続けて行きま
す。


以上が、アクトの行っております神経症のカウン
セリングパターンで、森田療法とアドラー心理学
の考え方を用いて進めます。

もちろん、ケースによってはさらに複雑になりま
すが、基本的には、この2つのパターンと、その
応用です。





◇神経症と心の成長の関係


ただいま準備中です。




このコラムは1998年に作成され2015年に再編集
したものです。
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